曲目解説
OP.7 組曲「霧の中の幻想」 Suite”Fantasic Movement in the Mist” op.7
作曲年:1983冬から春
心象イメージ
覚めた意識が立ち入ることの出来ない柔和な世界に於いて、自分の自由な幻想を思いきり飛翔させてみたいと思っている人々がいる。目覚めた意識がとらえたものにしか価値を認めようとしない自称「リアリスト」は、人間とは本質的にそのようなものを求めている存在であるという現実を否定しようとする。人間は覚めた意識と、無意識的な陶酔の反復の中で生きているのである。意識的な世界があまりにも幅をきかせすぎている現在、私は思いきり、陶酔的な世界にひたって、慰めに満ちた音楽を奏でてみたい。
(1)古くから歌われている歌が、馴れ親しんだ口調で響く。
(2)霧の中でファンファーレが鳴り響く。遠い夢の中での戦争。(1987改作)
(3)荒野をかけめぐる傷ついた魂。
(4)やっと見つけた束の間の平安。
(5)夢の中で聞こえてくる歓喜の歌声。
初演情報
1983.11.23
会場/東京カテドラル
演奏者/酒井多賀志