曲目解説
OP.2 通奏モチーフを用いた3つの作品 3 Pieces for the ostinato motif op.2
作曲年:1982
第一曲:音のプリズム
Ⅰ A Sound spectrum
第二曲:流れゆく雲
Ⅱ Clouds floating in the air
第三曲:幻想曲
Ⅲ Fantasy
繰り返されるモチーフは、平安と陶酔の温床。1982年当時、諸々の悩みや緊張に疲れた私には優しい慰めとなった作品です。非現実的な世界にひたろうとする者を気軽に攻撃することはやめてください。傷ついた者にとっては、優しさに包まれたいと願うことが当面の現実なのですから。日々の緊張で疲れ切っている「あなた」にとっては、この曲は憩いの時をもたらしてくれることでしょう。
◯第二曲:流れゆく雲 OP.2−2(1981秋から冬) ・オルガンで東洋の心をどのように表現出来るかというのが80年代前半の私のテーマでした。
この曲では7連音符の反復の上に2つのテーマを用い、草原でねそべって空を見ているようなリラックスした気分を展開してみました。
・1982年当時、諸々の悩みや緊張に疲れていた私には、優しい慰めとなった作品です。この曲では7連音符の反復の上に2つのテーマを用い、草原でねそべって空を見ているようなリラックスした気分を表現してみました。当時府中に住んでいたわたしは、多摩川の川原が大好きで、日曜や休日には多摩川に行き、芝生に寝転んで、流れゆく雲をながめていました。遠くの広場ではしゃぐ子供達の声、物売りの声などが懐かしく思い出されます。
【CD「酒井多賀志オルガンリサイタル第1集」曲目解説より】
心象イメージ
日曜の午後、多摩川の芝生に寝転んで、流れゆく雲をながめる。遠くの広場ではしゃぐ子供達の声、物売りの声、日常の喧騒もここでは人生のぬくもり。
収録CDタイトル
「酒井多賀志オルガンリサイタル第1集」
初演情報
1982.11.12
会場/東京カテドラル
演奏者/酒井多賀志