曲目解説

OP.11 ソプラノとオルガンの為の3つの詩篇 3 Psalms for Soprano and Organ op.11

作曲年:1984

第一曲:第4篇「私の義を守られる神よ」
Ⅰ Psalm4 "Answer me when I call, O God"
第二曲:第13篇「主よ、いつまでなのですか」
Ⅱ Psalm13 "How long . O Lord wilt thou quite forget me"
第三曲:第145篇「我が神、主よ、私はあなたをあがめ」
Ⅲ Psalm145 "I will extol thee, O God my King"

・バッハにならって私なりに、熱い口調で語ってみました。少々演歌っぽい雰囲気がありますが、ソプラノの清澄な表現は、それを聖化してくれることでしょう。

・この曲は今までのオルガン作品が生みだしてきた抽象的な精神のみの世界でなく、言葉の力をかりて、より現実的な世界へむけて、エッセンスを凝縮させ、肉体を感じさせる音楽を生みだすことを意図しています。 オルガンのみの抽象的な作品は、私の中で大きくて広がってゆく遠心力として働いています。一方言葉による限定された方向を持つ声楽曲は、反対に求心力として私自身に作用することでしょう。この遠心力と求心力の動的緊張関係を知覚し、生みだすことは、現在の私にとって生きている証ともいうべき課題なのです。
【初演:1984年6月8日パイプオルガンコンサートNO.20パンフレットより】

初演情報
1984.6.8
会場/石橋メモリアルホール
演奏者/Org:酒井多賀志  Sop:山内房子氏