曲目解説

OP.26 オラトリオ「ピラトの妻とマグダラのマリア」

作曲年:1988

台本 鏑木孝昭

【解説文:鏑木孝昭氏】 新約聖書の記述に基づくキリスト受難の物語である。イエスが十字架上で発した「我が神、我が神、なにゆえ私を見捨てられたのですか」という言葉は、絶望ではなく詩編22を詠んだものであり、イエスを十字架にかけた総督ピラトはそのことに気づいていたという仮説に基づいたオリジナル台本。信仰と現世のはざまで苦しむピラトとその妻を描いている。曲の中で合唱を用いたはじめての作品であり、日本語のモノディーが主体であるが、オルガヌム的なところから現代音楽を思わせる和声まで、様々な手法を用いている。

初演情報
1988.9.25
会場/泉の里コンツェルトザール
演奏者/ピラトの妻:山内房子氏  マリア:石丸真理氏  ピラト:吉村順邦氏
イエス:藤田光郎氏  Org:酒井多賀志、米沢陽子氏   合唱:シュトルム合唱団