曲目解説

OP.29 組曲「オルガンへの招待」

作曲年:1990

第一曲:マーチ

第二曲:フーガ

第三曲:アリアと変奏

第四曲:瞑想曲「祈り」

第五曲:ファンファーレ

第六曲:トッカータ

*おくとぱす委嘱作品。

東京純心女子短期大学(現在は東京純心女子大学)のオルガン科卒業生の有志によって結成されているパフォーマンスグループ「おくとぱす」から委嘱されて作曲しました。この組曲は、オルガンの持つ色々な音色を、コメント付きで演奏、紹介する目的で作られました。

◯第四曲:瞑想曲「祈り」OP.29-4
Ⅳ Meditation 1990年に作曲した組曲「オルガンへの招待」の第四曲「瞑想曲」を単独のオルガン曲として転用した作品。19世紀フランスの作曲家C.フランクの様式を用いた静かな瞑想曲です。 【CD:酒井多賀志オルガンリサイタル第3集曲目解説より】

◯第五曲:ファンファーレ ニ長調OP.29-5
1990年に作曲した組曲「オルガンへの招待」の第五曲にあたる曲です。このファンファーレは、オルガンの各鍵盤に属するリードの音を紹介する為の曲で、ロンド形式で出来ており、8小節の主要楽節が回帰する間に、スウェール、ポジティーフ、グレート、ペダルの各鍵盤のリードが華々しいソロを演じます。 【2002年6月15日パイプオルガンコンサートNo.41パンフレットより】

販売譜
◯ 第四曲:瞑想曲「祈り」として販売  第五曲と第六曲は演奏会小品集に編集されています。

収録CDタイトル
第四曲 「流離〜パイプオルガン、尺八、箏の出会い〜」
第五曲 「酒井多賀志オルガンリサイタル第3集」

コラム:
令和元年12月13日に自宅で倒れオルガンシューズを履いたまま天国へ旅立った父ですが、倒れる直前まで練習に励んで いたようです。その時、譜面台に置かれていたのがこの曲です。翌日のクリスマスコンサートで弾く予定でしたので、 直前練習をしていたのでしょう。その後、遺された楽譜のデータを整理していると、何度も何度も修正を加えた跡が残 されていました。1990年に作曲された作品ですが、最期まで自分の納得のいく音楽を追求していた様子が見て取れまし た。

初演情報
1990.4.21
会場/武蔵野市民文化会館
演奏者/Org:有井玲子氏