曲目解説

OP.34 秋田民謡による幻想組曲 Fantastic suite on Akita Falk Songs op.34

作曲年:1992

第一曲 ひでこ節

第二曲 姉こもさ

第三曲 秋田長持唄

第四曲 秋田節

第五曲 どんぱん節

この曲では5つの秋田民謡が  ①ひでこ節 ②姉こもさ ③秋田長持唄 ④秋田節 ⑤どんぱん節の順で登場します。最後のどんぱん節では、前奏の部分をテーマに、フーガにしてあり、各曲の間を私流の間奏で繋いでいます。今回初めてオルガンで作品を作ったので、複雑な展開はあまりやらず、民謡をオルガンに乗っけるとどんな感じになるかを大事に作りました。秋田民謡そのものは結構オルガンに合うのではないかと思いました。民謡の部分はそれほど作曲するときには凝らなかったのですが、繋ぎの部分をどうするかでかなり時間を費やしました。 【初演時の酒井本人による解説より】 初演 1992年5月16日 酒井多賀志オルガンリサイタル@秋田no.15】

*1995年4月15日にNHKホールにて録音され、NHKFMで放送された。

コラム:秋田オルガンリサイタル主催者・酒井貴氏(聖霊女子短大音楽科講師)より
1991年5月に行われた第14回オルガンリサイタル後のお酒もはいった打ち上げの場で、冗談半分に先生に「秋田民謡」を取り入れたオルガン曲を作曲して次回の演奏会の曲目として取り入れてみませんか?と話したところ、大変興味を持たれて、次の日、音楽科の書庫にあった秋田民謡の本から5曲選んで差し上げました。どの曲も秋田では誰もが知っている曲で、これなら聴衆の皆様もきっと喜んでくれると確信しました。
迎えた1992年第15回、1993年第16回、1994年第17回と3回続けて演奏されました。聴衆の皆様からは大喝采の曲となりました。⑤の「どんぱん節」では曲の最後がフーガとなり、見事な出来栄えで、オルガンによる「こぶし」のかけ方など本当に驚くばかりです。またこれに気を良くされたのでしょう。1996年第19回オルガンリサイタルでは「秋田おばこ」による幻想曲 作品43が作曲演奏され、大好評でした。
このように20年にも渡って秋田で演奏された訳ですから、身体の中に「秋田の魂」が流れていたのかも知れません。

初演情報
1992.5.16
会場/秋田アトリオン音楽ホール
演奏者/酒井多賀志