曲目解説

OP.56 イントロダクションとフーガ ハ長調 (新世紀) Introduction and Fugue in C major (Saeculum Novum21) op.56

作曲年:2001

新世紀の幕開けの期待をこめて2001年に作曲しました。最も身近なハ長調は、新しいミレニアムに向かっての第一歩であることの象徴です。 イントロダクションには、私のデビュー作である「完全音程を主体にした3つの作品OP.1(1981)」より、「瞑想的トッカータ」の一部分を使いましたが、これは完全音程が生み出す空虚な響きに象徴される無(ゼロ)からの出発を意味しています。 ・フーガではOP.50で実験済の、変拍子が交錯する性格から生まれる、快活さとスリルと躍動感を大切にしています。この曲ではそうしたイレギュラーなリズムを、より流麗な流れの中に取り込むことを目指しました。OP.50と、ほとんど同じ構成の上に展開された曲ですが、より大規模なものとなり、前曲とは一味違った印象を醸し出しています。 ・フーガでは、変拍子を頻繁に用いて、快活さとスリルと躍動感を生み出し、イレギュラーなリズムでありながらも、流麗な展開を目指しました。

収録CDタイトル
「酒井多賀志オルガンリサイタル第3集」「アイザック・スターンホールの須藤オルガン」

収録CDタイトル
「響きわたる音の神殿〜パイプオルガン〜」

初演情報
2001.6.10
会場/府中の森芸術劇場 
演奏者/酒井多賀志