曲目解説
OP.59 「我は海の子」の主題による幻想曲 Fantasy on “Ware-wa uminoko” op.59
作曲年:2005
私は海とそこに住む生物が大好きで、奄美諸島ではコンサートの合間に、シュノーケルをつけてサンゴ礁の海を観察するのを毎夏楽しみにしています。また南の島の、嵐で荒れ狂う海はものすごく、しばしばそれを見る為に、波が激しく打ち寄せる海岸を求めて探しに行きます。この曲を作曲しようと思いたったのも、そんな海好きのせいだと思います。歌詞の「白波の騒ぐ磯辺の松原に」「千里寄せくる海の香を」を瞑想して作曲しました。波を表す音形の上にメロディを浮かせる処と、海に生きる者達の住処の象徴としてフーガで展開する処があります。静かな海から荒々しい海まで、様々な顔を持つ海を、対位法と転調を駆使して表現してみました。自然の海の表現よりは、海に生きる者達の想いを表現したつもりです。 【初演:2005年6月17日パイプオルガンコンサートNo44パンフレットより】
四方を海で囲まれた日本の「島国」としての情感を、歌詞の「白波の騒ぐ磯辺の松原に」と「千里寄せくる海の香を」を瞑想しながら作曲しました。波を表す音形の上にメロディを浮かせる処に続いて、静かな海から、荒々しい海まで、その様々な感情を、(対位法と転調を駆使して)フーガで表現してみました。自然の海の描写よりは、「島国」に生きる私達の海に対する想いを表現したつもりです。 【2012年7月26日デジタルパイプオルガンコンサートNO.1パンフレットより】
収録CDタイトル
「アイザック・スタンホールの須藤オルガン」
初演情報
2005.6.17
会場/府中の森芸術劇場
演奏者/酒井多賀志