曲目解説

OP.61 八重山民謡「船ぬ親ユンタ」の主題による幻想曲 Fantasy on “Uninuyah Yunta” op.61

作曲年:2006

ユンタは沖縄県八重山地方の作業歌で、男女の掛け合いで歌われます。 「船ぬ親ユンタ」は石垣市宮良(みやら)に伝わる三部構成の規模雄大な曲で、船頭の夫婦が一旦は不仲になるものの、よりを戻すといった騒動を面白可笑しく歌っていきます。二人の出自を歌うゆったりとした導入部に続き、妻が「幼馴染の許嫁だった夫に浮気され、怒って実家に戻るが、忘れがたい」と直截に語る第二部、「夫の好物とうまい酒を造って夫の許に帰る」というハッピーな第三部の対比が鮮やかです。その第二部分を活気のあるフーガで展開しました。南国の開放的な情熱に溢れた曲です。 【2011年6月24日パイプオルガンコンサートNO.50パンフレットより】

収録CDタイトル
「アイザック・スタンホールの須藤オルガン」

初演情報
2006.6.11
会場/武蔵野市民文化会館 
演奏者/酒井多賀志